ヘン・スイキャット副首相兼財務大臣は2020年２月16日、新型コロナウイルス（COVID-19）の現状認識と政府の対応について説明した。
ヘン副首相は「想定外の結果となり、急速に感染が広がった」との認識を示した。
これまでの対応について、「リスクベースのアプローチを採用し、状況の変化に応じてセーフガードを強化している。14日（金）に、国内で感染者が出る最初の兆候があったときに、DORSCONをオレンジに引き上げた」とその方針を説明した。
今後の取り組みとしては、▽新しい機能 ▽企業と労働者を支援 ▽社会的レジリエンス（回復力）強化――を強調した。
新しい機能については、「感染症との戦いであまり知られていない分野の１つは科学技術の役割である。ウイルスシーケンスが利用可能になってからわずか１週間後に、研究者はウイルスの診断テストキットを開発した。疑わしい症例のスクリーニングに非常に役立ったし、我々は中国に20,000個の診断テストキットを提供している。より簡単で、より迅速な診断テストキットを開発し、より正確に検出して、治療に役立てる」と述べた。
企業と労働者の支援に関しては、「発生の経済的影響とそれがもたらす新たな不確実性にも対処する必要がある。観光や輸送など一部の産業は大きな打撃を受けており、ターゲットを絞った支援措置を取っている。しかし、経済への広範な影響が想定される。センチメントに影響が及ぶと、企業と消費者は支出を抑制する。中国における生産の中断の結果としての世界的なサプライチェーンの混乱も貿易と製造に影響する」としたうえで、2020年度予算では「企業が地元の労働者の雇用を維持できるように、賃金サポートを提供する。（税金関係で）企業のキャッシュフローを支援する。飲食業や小売りなど、より大きな打撃を受けた分野はさらに支援する。また、企業と労働者がこの期間を最大限活用して体制の再構築、トレーニング、アップグレードを行い、最終的な好転が生じたときに強くなるよう支援する。世帯の生活費を援助するパッケージも準備している」と述べた。
「この世界的な健康危機から企業や労働者が立ち直るために必要なすべてのことを、シンガポール政府が行うことを保証する。これらすべての追加サポート手段により、これからリバウンドすることを保証できる。決して恐れるな！と伝えたい」と誓った。
社会的レジリエンスの強化については、「この新型コロナウイルスとの戦いにおいて、社会的および心理的な回復力を強化する必要がある」と述べ、「まず、良好な個人衛生を保つことだ。そして、社会的責任を果たすことだ。気分が悪い場合は医師の診察を受け、医療休暇中は自宅にいて他の人と交流してはいけない。現在、十分な食料の供給と、マスクやその他の必須アイテムの十分な備蓄があり、多様な供給源から積極的に補充している。しかし、買いだめをすると、本当に必要な人にいきわたらなくなる」と自制を呼びかけた。