明電舎のシンガポール現地法人Meiden Singapore Pte.Ltd.は、シンガポール公益事業庁(PUB)のトゥアス海水淡水化プラントにおいて、セラミック平膜を用いた前処理プロセスの実証プラントを建設し、2026年6月から運用を開始した。実際のプラントに近い規模で約半年間の運転を行い、安定運用や省エネルギー効果を検証する。今回のプロジェクトはシンガポール政府の水技術の検証や商業化を促進するための資金調達スキーム「リビングラボスキーム」のもと、Meiden Singapore社とPUBが共同出資している。6月17日発表した。
トゥアス海水淡水化プラントでは、逆浸透膜(RO膜)を用いて淡水化を行っており、今回の実証ではその前処理にあたる不純物を取り除く工程にセラミック平膜を適用する。従来は、水と空気に圧力を加えて発生した泡によって液体中の浮遊物質を取り除く加圧浮上設備、溝のあるディスクを重ね、その隙間に液体を通すことでろ過を行うディスクフィルタ、膜の孔径と溶質の分子の大きさによって小さな物質を除去する限外ろ過膜など複数の処理が必要だったが、セラミック平膜に置き換えることで工程の簡略化が期待できるという。また、既設の加圧浮上設備の水槽内にユニットを設置することで、新規の設備投資を抑えられるという。

セラミック平膜による処理プロセス
また、今回の実証では、明電舎で新たに開発した樹脂製筐体を採用したセラミック平膜ユニット(処理能力:約28,000m3/日)の性能についても検証を行う。
明電舎は、水の安定供給を国家の課題として抱えるシンガポールをセラミック平膜事業の中核拠点として位置づけ、2010年にPUBと水処理技術の共同研究に関する覚書(MOU)を締結。以降、シンガポール国内の様々な水処理プラントにおいて実証研究を進めてきた。2021年からは淡水化の前処理プロセスにおける省エネルギー化に向けた共同研究を開始し、パイロットプラントの試験で良好な結果を得たことから、2024年より実証プラントの建設に着手した。