新菱冷熱工業は2025年5月に、シンガポール陸上交通庁(Land Transport Authority)から、シンガポールで8路線目となる地下鉄「クロスアイランド線第1期およびポンゴル延伸区間」の駅舎空調工事とトンネル換気工事を約490億円(SGD436.8M)で受注した。8月21日発表した。
クロスアイランドライン線は3期に分けて建設される予定で、完成すると総延長50kmを超えるシンガポール最長の地下路線となる。クロスアイランド線全体の1日あたりの乗客数は、最初の数年間で60万人を超え、長期的には100万人以上になると予想されている。
「クロスアイランド線第1期工事およびポンゴル延伸区間」は2030年に完成するシンガポール北東部からブライトヒル駅までの12駅(全長29km)の区間と、2032年に完成する予定のパーシル・リス駅からポンゴル駅までの4駅(全長7.3km)の区間で構成されている。
新菱冷熱工業は、今回受注した工事における駅舎の空調では、車両からの排熱がプラットフォームに侵入しないようにスクリーンドアが設置され、空調機の容量を軽減することで省エネを図る。また、トンネル内では、通常時には電車の運転による自然換気を活用し、ラッシュ時や火災時には大型換気ファンとダンパーを組み合わせて風向きの変更を可能とする。
新菱冷熱工業は1983年よりシンガポールでの営業を開始した。1987年にシンガポール初の地下鉄路線である南北線・東西線の駅舎空調工事とトンネル換気工事を担当して以来、北東線・環状線・トムソンイーストコースト線など地下鉄プロジェクトに継続的に携わっており、全地下鉄駅の約7割に技術を提供している。