商船三井は、マレーシア国営エネルギー事業会社Petroliam Nasional Berhad(PETRONAS)グループのPETRONAS CCS Ventures Sdn.Bhd.(本社:マレーシア、PCCSV社)およびMISC BERHAD(本社:マレーシア、MISC社)と、液化CO2輸送船(LCO2船)の開発・保有を目的とした船主合弁会社Jules Nautica Sdn.Bhd.を設立した。CO2の排出事業者および貯留事業者との戦略的なパートナーシップを通じて、多様なニーズに対応するため国境を越えたソリューションを提供する。2025年6月17日発表した。

LCO2船イメージ
商船三井、PCCSV社、MISC社の3社は、タンク容積62,000m3のLCO2船の基本設計(FEED:Front-End Engineering Design)を完了、ノルウェー船級協会(DNV、本部:オスロ)から設計内容に対する承認(GASA:General Approval for Ship Application)を取得し、業界で最も先進的な低圧低温LCO2船設計の一つとして位置づけられているという。
6月17日にJules Nautica社設立発表のセレモニーがマレーシアで行われ、MISC社のZahid Osman代表取締役社長兼グループ最高経営責任者は、「PETRONASおよび商船三井とのLCO2輸送に関するパートナーシップは、低炭素ソリューションを推進する私たちの重要な戦略に一致し、CCSバリューチェーン全体の技術の成熟を共に加速していくものとなる」と述べた。
商船三井の橋本剛代表取締役社長執行役員は「この合弁会社は、越境CCSプロジェクトに不可欠な液化CO2の輸送に重要な役割を果たす。CCSを実現するためには業界内での連携が必要であるとの強い認識が、この3社の協力に繋がっている。この協力関係はマレーシアや日本を越えアジア太平洋地域全体での脱炭素化の取り組みを主導し、カーボンニュートラル社会の実現に貢献する」と述べた。
PCCSV社は、PETRONASの完全子会社で、マレーシアにおけるCCSバリューチェーン全体のプロジェクトを率いるために設立された。
MISC社は、海運業界で55年以上の経験を持つマレーシアの国際的な海事企業で、様々な船を保有・運航、また洋上設備も保有・管理・運営している。海運関連のエネルギーバリューチェーンの様々な分野で幅広いソリューションを提供している。