気候変動(低・脱炭素) 物流・ハブ 進出・出資・撤退

印AdaniグループのAPSEZ社、豪クイーンズランド州の輸出ターミナルを買収

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インド最大の総合運輸公益企業であるAdani Ports and Special Economic Zone Ltd.(APSEZ社)の取締役会は、シンガポールのCarmichael Rail and Port Singapore Holdings Pte Ltd(CRPSHPL社)からシンガポールのAbbot Point Port Holdings Pte Ltd(APPH社)を買収することを承認した。2025年4月20日発表した。

発表によると、APPH社は、現在の定格処理能力が年産5,000万トン(MTPA)の専用輸出ターミナルであるNorth Queensland Export Terminal(NQXT)を所有および運営する事業体を保有している。NQXTは、豪州東海岸のクイーンズランド州ボーウェンから北へ約25kmに位置するアボット・ポイント港にあり、資源生産者にとって重要な輸出ゲートウェイとなっている。貨物は88%がアジア向け、10%が欧州向けという。2025年度の貨物取扱量は3,500万メトリック・トンで過去最高を記録した。

APPH社はNQXTの買収を決めた理由として、▽40年以上の操業実績があり、資源産出国への戦略的アクセスを提供し、複数の利用者が共用できるフル稼働の輸出施設であること ▽ボーエン鉱区とガリラヤ鉱区で操業する企業からなる高品質な顧客基盤を持ち、高品質の冶金用石炭とエネルギー用石炭を生産し、世界15カ国以上に輸出していること ▽APSEZ社の世界的拡大戦略と戦略的に合致しており、クイーンズランド州政府の戦略に沿って、アボット・ポイント港からグリーン水素の輸出を将来見込めること――などを挙げた。

CRPSHPL社は関連当事者に該当し、今回の取引は非現金ベースで完了する。APSEZ社は、APPH社の株式100%取得と引き換えに、CRPSHPL社に1億4,380万株の株式を発行する。NQXTの企業価値39億7,500万豪ドルに基づいて算定したという。

同取引は、Reserve Bank of India(RBI)、株主、Foreign Investment Review Board of Australiaなどの必要な承認を経て、2四半期以内に完了する予定。

Adani Groupの一翼を担うAPSEZ社は港湾会社として創業し、現在、インド最大の港湾開発・運営会社としてインド西海岸の戦略的要地にある7つの港湾とターミナル(グジャラート州のMundra、Kandla(Tuna TekraとBerth 13)、Dahej、Hazira、ゴア州のMormugao、マハラシュトラ州のDighi、ケララ州のVizhinjam)、東海岸にある8つの港湾とターミナル(西ベンガル州のHaldia、オディシャ州のDhamraとGopalpur、アーンドラ・プラデーシュ州のGangavaramとKrishnapatnam、タミル・ナードゥ州のKattupalliとEnnore、プドゥッチェーリ連邦直轄領のKaraikal)で事業を展開している。また、スリランカのコロンボに積み替え港を開発中で、イスラエルのハイファ港で事業を展開しているほか、タンザニアのダルエスサラーム港でContainer Terminal 2を運営している。APSEZ社は今後10年間で世界最大の港湾・物流プラットフォームになることをビジョンに掲げている。

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