シンガポールのチャンギ総合病院（CGH）と島津製作所のアジア統括会社Shimadzu（Asia Pacific）Pte.Ltdが開設した共同研究ラボ「Shimadzu-CGH Clinomics Centre」（SC3）は2023年２月から血液検査による高血圧症の診断支援事業をシンガポールで開始した。島津製作所が12月25日発表した。
両社は2021年１月のSC3開設以来、液体クロマトグラフ質量分析計（LC-MS／MS）による臨床検査技術の開発と妥当性評価に取り組み、治療可能な高血圧症の一種である原発性アルドステロン症の患者を特定する検査手法を開発、CGHがシンガポール保健省より臨床サービスライセンスを取得した。
同検査は、島津製作所製のLC-MS／MSを利用して、アルドステロンとレニンというホルモンを正確に測定するというもので、これまでに1,000人以上に実施してきた。
従来は検体を米国など海外の検査センターに送って検査しており、結果判明まで数週間を要することもあったが、SC3の検査事業によりその期間は３～５日へと短縮された。
SC3は今後も独自の質量分析ソリューションを開発し、アジア太平洋地域の基準となる研究所として、慢性疾患に対する様々な臨床診断や臨床アプリケーションを提供することを目指す。