日本政策投資銀行(DBJ)九州支店は2019年6月6日、シンガポール人訪日旅行者などを対象とした調査(2018年度版)結果を踏まえた考察レポート「九州インバウンド観光振興に向けて」を公表した。
それによると、シンガポール人に選ばれる観光地になるための出発点といえる「認知度」は、▽九州 33% ▽福岡 26% ▽佐賀/唐津 4% ▽長崎 34% ▽大分/別府/湯布院 3% ▽熊本/阿蘇 6% ▽宮崎 8% ▽鹿児島 13%――だった。長崎、福岡が比較的高いものの、どの地域にも「依然伸びしろがある」としている。
一方、シンガポール人の「訪問意欲」は、▽九州 14% ▽福岡 9% ▽佐賀/唐津 1% ▽長崎 10% ▽大分/別府/湯布院1% ▽熊本/阿蘇 2% ▽宮崎 2% ▽鹿児島 3%――だった。
同レポートは「平和史跡、世界遺産(明治日本の産業革命遺産、潜伏キリシタン関連遺産)等がある長崎を九州全体の周遊に繋げるPR・誘客が検討され得る」と指摘している。
また、東南アジア4カ国旅行者(タイ・シンガポール・マレーシア・インドネシア)が九州旅行で期待していることのトップ5が、①自然・風景 ②日本料理 ③ご当地グルメ ④日本旅館 ⑤ツーリズム――で、日本観光の基本的な要素が上がっているほか、他地域と異なりツーリズムへの期待も高くなっている。
この結果から、「雪景色紅葉などの四季の風景や九州新幹線などのハイテクにフォーカスを当てたPRが検討され得る」「自然や風景を活かした体験型のイメージの訴求の可能性もある」と指摘している。
なお、シンガポール人九州訪問者希望者の日本の観光地イメージは、①温泉・日本的な街並み 79% ③ 桜・富士山 73% ⑤城 71% ⑥日本旅館・紅葉 70% ⑧田園風景 69% ⑨雪景色 67% ⑩新幹線 64% ⑪日本庭園 63% ⑫山岳 59% ⑬ショッピングモール・神社仏閣 54% ⑮島々の風景 53% ⑯祭り 49% ⑰テーマパーク 45% ⑱海 43% ⑲居酒屋 34% ⑳都市景観(高層ビル街)31% ㉑ダム(巨大インフラ) 28% ㉒工場、コンビナート 10%――となっている。