アミタ(京都市)は2023年6月9日、環境省が実施する「令和5年度脱炭素社会実現のための都市間連携事業委託業務」に、北九州市をはじめ7社2自治体1団体と共同で応募し、インドネシアとマレーシアでのプロジェクトが採択されたと発表した。
マレーシアでは、アミタが2017年以降展開している産業廃棄物の100%リサイクル事業の知見を活かし、エヌ・ティ・ティ・データ経営研究所、北九州市、日鉄エンジニアリング、イスカンダル地域開発庁と連携し、イスカンダル開発地域で横展開可能な脱炭素モデルエリアの構築を推進する。
具体的には、現地工業団地に入居する企業等とのコンソーシアム形成と、先行事業である「イスカンダル地域における脱炭素化促進事業(2019年度~2021年度)」で事業化検討が行われた産業共生・エコタウン・廃棄物発電を実施するための実行体制の構築を推進する。
アミタの担当者はシンガポール新聞の取材に応じ、「現在、工業団地から発生している廃棄物の中には、資源リサイクルができるにも関わらず、単純埋め立てもしくは単純焼却など、再利用されずに廃棄されている廃棄物が多数存在する。具体的には汚泥や灰など固形廃棄物や、廃油は廃酸、廃アルカリといった液体廃棄物である。これらをアミタの100%リサイクルを実現する独自技術を用いて、100%再資源化製品を製造し、素材メーカー、非鉄精錬メーカー、電力会社等への代替原料や代替燃料として納入する資源循環モデルを構築する。工業団地内の排水や廃熱を統合的に管理、活用するモデルも調査事業を通して検討していく」「アミタは本年度(フェーズ2)からの調査事業参画になる。現地工業団地については各社および現地工業団地運営会社とともに検討中である。なお、2022年度の同事業(フェーズ1)では、『Senai Airport City』『TLIC』をはじめ、現地工業団地にヒアリング調査を実施し、協力に前向きな工業団地の発掘活動に取り組んでいる」と補足した。
採択内容は下記の通り。
【 事業名 】イスカンダル地域における脱炭素モデルエリア構築事業(フェーズ2)
(北九州市―イスカンダル地域開発庁連携事業)
【対象地域】マレーシア イスカンダル開発地域
【 期間 】2023年7月(予定)~2024年3月(3カ年事業の2年目)