総合

JACリクルートメント、22年4Qシンガポールホワイトカラー人材紹介市場動向

投稿日:

人材紹介事業のジェイ・エイ・シー・リクルートメントは、2022年第4四半期(10‐12月)のアジア各国のホワイトカラー人材紹介市場の動向をまとめ、2023年2月1日概要を発表した。同社の調べによると、シンガポールの求人数は対前年同期比155%、対前四半期比68%で推移した。

JAC Recruitmentシンガポール法人のカースティ・ポルトック社長は、第4四半期中のシンガポールの国内状況について、「シンガポール購買資材管理協会が発表した2022年11月の製造業購買担当者景況指数(PMI)は49.8で、景況を分ける50を3カ月連続で下回った。原因としては、長引いた中国ゼロコロナ政策による原材料調達や生産の遅延、製造コストの高騰、世界的な景気低迷などが挙げられる。また、消費者物価指数(CPI)は2022年1月から9月にかけては上昇し続けたが、10月は前月の+7.5%を0.8ポイント下回り14カ月ぶりに鈍化した。通貨金融庁(MAS)と貿易産業省(MTI)は2023年について、1月から消費税(GST)の税率が7%から8%に引き上げられることなどを加味し、全体のインフレ率は5.5~6.5%になると予想している」と報告した。

企業の採用動向に関しては、「更に活発化し、求人数は増加している。2023年の事業計画や予算策定を行う企業からは、様々なポジションにおける給与相場や、該当する人材の有無についての問い合わせが増えた。依然としてスタッフのリプレイスメントポジションの求人が多い印象だが、シンガポールへの進出に関連した相談や求人ニーズも増えている。また、これまで日本本社が担っていた主要なオペレーションをシンガポールに移管させる計画や、今後の増員を見越して新たに人事マネージャーを採用し、人員計画や制度設計に力を入れるなど、各企業は2023年に向け、準備を着々と進めている。アフターコロナのリバウンド需要を見込んで営業人材を補強する企業や、ボーナス支給後に退職者が増えることを見越し、採用活動を開始する企業もでてきている」と状況を報告した。

一方で、求職者の動向に関しては、「シンガポール人求職者の登録数は横ばいとなっているが、2023年からの転職活動に先立ち、自身のキャリアの棚卸や転職市場動向についての情報収集を開始する人が増えた。例年、12月は一旦落ち着き、中華正月明け以降に本格的に転職活動する傾向にある。日本人求職者に関しては、10月~11月は増加したものの12月は少し減少した。シンガポールで働くイメージを掴みに観光を兼ねて訪れる人や、実際に転職活動のために長期休暇や連休を利用して渡航する人も出てきた。日本人求職者の登録数は例年年明けの1月中旬以降に増える傾向にある。シンガポール国内は依然として永住権保持者、Long Term Visit Pass保持者、Dependant Pass保持者など、ビザ取得の必要のない人材のニーズが高まっているため、該当ビザステータスの求職者の登録も目立った」と状況を報告した。

JAC Recruitmentシンガポール法人の担当者は、これまで日本本社が担っていた主要なオペレーションをシンガポールに移管させている企業が増加傾向にあるという点についてのシンガポール新聞の取材に対し、「リージョナルヘッドクォーターをシンガポールに持ってくるという企業が増えたため、企業全体というよりは、HR、L&D(人材開発)機能など一部オペレーションを移管する動きがある。JAC Recruitmentの取引先企業の傾向を見ていると、中小企業にはあまり見られないが、消費財や食品関連の大手企業などはシンガポールにオペレーションを移管している。IT関連企業では、人件費などの関係でカスタマーサポートの機能をマレーシアや東南アジアの国々へ移管させている企業もある」と補足した。

-総合

Copyright© シンガポール新聞社 , 2024 All Rights Reserved Powered by STINGER.