進出・出資・撤退

リアルテックグローバルF、シンガポールのナノろ過膜開発ベンチャーに出資

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リアルテックホールディングス(東京都墨田区)が運営するリアルテックグローバルファンド(リアルテックグローバルファンド1号投資事業組合)は、耐熱・耐圧・耐有機溶剤性と優れた透過・分離性能を備えるナノろ過膜を開発するシンガポール発ベンチャーSEPPURE Pte.Ltd.に出資した。リアルテックホールディングスは、顧客開拓と日本企業・研究機関・町工場等を活用した大規模システムの製造支援を通じてSEPPURE社の成長に貢献するとしている。2022年10月28日発表した。

SEPPURE社は2018年10月設立。発表によると、創業者兼CEOのMohammad Farahani氏がシンガポール国立大学(NUS)のPhD在籍中に開発した技術をもとにスピンアウトしたベンチャーで、分子量が150~2,000g/モルの範囲の溶質を優先的に除去する高分子膜を開発している。独自のレシピによりポリマー同士を架橋し、耐熱(100~150℃)に優れた素材に加工を施すことにより、広範囲なPh・極性・非極性の液体中でも安定して性能を発揮できる。さらに、独自の製造ノウハウを活用して中空糸膜を成形することで、競合の分離膜と比較して10~20倍の透過性や4~5倍の単位面積を実現したという。

SEPPURE社のナノろ過膜を活用し、従来の熱を活用した分離・精製工程を代替すると、30%以上の運用コスト、60%以上のCO2排出量削減が見込めるという。

リアルテックホールディングスは、SEPPURE社の今回の調達ラウンドに日本籍VCとして唯一参画した。パートナー企業やエコシステムとの連携を通じて、SEPPURE社の日本市場進出を支援し、町工場ネットワークを活用した製造支援も行っていくとしている。

◇SEPPURE Pte.Ltd.
【設立年月】2018年10月15日
【 所在地 】The Galen, 61 Science Park Road, #03-09, Singapore 117525
【 代表者 】Dr. Mohammad Hossein Davood Abadi Farahani
【事業内容】高い耐有機溶剤性と分離性能を備えるナノろ過膜を開発
【出資時期】2022年10月

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