外務省(日本)は2022年10月18日、シンガポール海峡で武装集団による海上での襲撃事案が多発しているとして、シンガポール海峡及び同海峡周辺海域を航行する船舶の運航事業者及び当該船舶乗船予定者に向け、「襲撃事案による被害に遭遇する危険性を十分認識し、最新情報の入手に努め、情勢によってはこれらの海域を航行する船舶への乗船を控えてほしい」と注意喚起を発した。
インドネシア、シンガポール及びマレーシアの領海に接するシンガポール海峡では、刃物や銃器で武装した集団が商船等に乗り込み、船員を脅迫や拘束したり、船の備品を窃盗したりするといった事案が近年多発している。
国際商工会議所(ICC)国際海事局(IMB)の報告書によると、2021年にシンガポール海峡で発生した乗り込み事案(未遂含む)は35件で、前年より約50%増加して、1992年以降最多となったという。2022年7月には、武装した不審者2人が航行中の日本関係船舶に侵入し、部品を窃盗する事件も発生した。
今後も同海峡において同種の事案が継続的に発生する可能性は高いとみられており、同報告書によれば過去3年は第4四半期に発生件数が増加する傾向にあるという。
◇最近のシンガポール海峡での襲撃事案の発生件数(出典:2021年IMB年間報告書)
2017年:4件
2018年:3件
2019年:12件
2020年:23件
2021年:35件