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JLL、2022年上半期アジア太平洋地域ホテル投資額、シンガポール約9億米ドル

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米・総合不動産サービス大手ジョーンズ・ラング・ラサール(JLL)は2022年7月12日、2022年上半期のアジア太平洋地域のホテル投資額についての調査結果を発表した。

それによると、アジア太平洋地域における2022年上半期のホテル投資額は前年同期比33%増の68億米ドル、2019年比で11.9%増となり、同地域へのホテル投資額はコロナ前の水準を超えた。

2022年上半期のホテル投資件数は前年同期比20.2%減の75件、同2019年比で33%減となった。

2022年上半期の取引客室数は前年同期比29.9%増の19,822室、同2019年比で9.4%増となった。

JLLは「潤沢な資金を持つ機関投資家がより効率的な投資先を模索する中で、ポートフォリオ取引(複数物件の取引)が急増しているが、2022年下半期はマクロ経済や地政学的な逆風が強まれば、現在のモメンタムが停滞する可能性もある」と分析している。

JLL日本の辻川高寛・執行役員ホテルズ&ホスピタリティ事業部長は、「パンデミックにより企業やレジャーの宿泊需要は一旦減退したが、アジア太平洋地域におけるホスピタリティセクターの回復力、出入国の再開は2022年のホテル投資活動を加速させ、旅行需要は近々コロナ前の水準に戻るとみられている。結果として、2年間小康状態だった投資基調は収束し、ゲートウェイ市場やリゾート地への投下資金額は記録的な水準となった」とコメントした。

そのうえでJLLは、「国境が開かれ、多くの市場が国内需要のみに頼る状況からインバウンドレジャーや企業ビジネス需要に広がりを見せることが明確となり、ホテル投資活動はアジア太平洋地域の様々な市場へと拡大した。しかしながら、現在の好調な旅行市場と長期的な経済見通しが交錯し、ホテル不動産価格に関する買い手と売り手の期待値にギャップが生じているケースもみられる」と補足した。

2022年上半期の投資額は、日本(18億米ドル)、韓国(17億米ドル)、香港を含む中国(16億米ドル)が最も多く、シンガポール(8億9,970万米ドル)、モルディブ(2億550万米ドル)、インドネシア(1億5,960万米ドル)は引き続き堅固な回復をみせている。

JLLはシンガポールに関して、「アジアで最初に渡航制限が解除された国のひとつであり、最も早い回復をみせ、コロナ前の水準を超える約9億米ドルの投資額となった。中規模物件への投資が最も活発で、投資家は、物件を共同住宅に転換してパフォーマンスを高めている」と状況を説明した。

JLLホテルズ&ホスピタリティグループのマイク・バチェラー アジアパシフィックCEOは、「引き続きマクロ的、地政学的な逆風による投資活動への影響や、投資案件の希少性が続くものの、アジア太平洋地域のホテル投資額は100億米ドルを超えると確信している」とまとめた。

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