日立ABBパワーグリッド社(本社・チューリッヒ)は2021年2月4日、シンガポールの都市開発事業者Sembcorp Industries社と南洋理工大学(NTU)エネルギー研究所から、シンガポール初のバーチャルパワープラント(VPP)開発プロジェクトにおける蓄電ソリューションの提供元として選ばれたと発表した。
シンガポールでは、脱炭素化への取り組みの一つとして太陽光発電など分散型エネルギー源の導入が拡大しており、系統の安定性を確保するため、分散型エネルギー源を調整・制御する必要性が高まっているという。点在する分散型エネルギー源を統合し、一つの電源のように制御・活用する技術VPPの開発プロジェクトが進められている。
同プロジェクトにおいて、日立ABBパワーグリッド社は累計500MWかつ200件以上のプロジェクトで導入実績があるバッテリー蓄電ソリューション「e-meshTM PowerStoreTM」を提供する。「e-meshTM PowerStoreTM」はソフトとハードを組み合わせたソリューションで、ソフトはピーク需要時に電気を使用できるように多めに電力を蓄えておくシステムや、電力セキュリティ対策標準NERC CIPに対応したセキュリティ保証が保たれるシステムが含まれる。分散型エネルギー源を監視・制御し、太陽光などの断続性による電力低減を制御することで需給バランスを調整、系統安定化を支援する。
日立ABBパワーグリッド社はシンガポール現地法人ABB POWER GRIDS SINGAPORE PTE.LTDを置いている。
同プロジェクトは、シンガポールエネルギー市場監督庁(EMA)から資金提供を受けているという。