菅義偉首相は2020年10月29日午後5時25分から約15分間、シンガポールのリー・シェンロン首相と電話会談を行った。
外務省(日本)の発表によると、冒頭、菅首相は「9月にシンガポールとの間で『レジデンストラック』および日本にとって初めての『ビジネストラック』を開始したことは両国の強固な関係の表れである。新型コロナウイルスを共に乗り越えるべく、今後も人の往来の更なる活性化を含めリー首相と協力したい」と述べた。
リー首相は、菅首相就任への祝意を述べるとともに、「重要なパートナーである日本との関係を更に発展させていきたい。特にデジタル経済、人の往来、国際貿易等の分野で連携していきたい」と述べた。
菅首相は、「日本として、引き続き『自由で開かれたインド太平洋』を推進し、航行の自由や国際法を重視するシンガポールとの連携を重視している」と述べた。また、「日本も全面的に支持している『インド太平洋に関するASEANアウトルック』への協力の具体化を進める」と伝えた。さらに、「新型コロナウイルスの感染拡大の中、デジタル技術の活用やサプライチェーンの強靱化等により、危機に強い経済を構築することが重要な課題となっている。シンガポールと連携していきたい」と述べた。
対して、リー首相は、「地域における諸課題も含めて、日本と一層協力して取り組んでいきたい」と述べた。
両首脳はASEAN関連首脳会議に向けた連携や南シナ海問題に関する連携を確認した。
また、菅首相は、拉致問題を含む北朝鮮への対応における協力を求め、リー首相から理解を得たという。