総合不動産サービス会社コリアーズ・インターナショナル(Colliers International)は2020年7月2日、中長期的な洞察と投資推奨をまとめたレポート「アジア・パシフィック(APAC)不動産投資市場」を発表した。
この中で、コロナ禍の影響について触れ、「ホテルや小売セクターは、より時間のかかる構造的課題に直面しており、リスク・プレミアムも高まっている。ただし、一部のアジア都市、特にシンガポールと香港のホテルセクターでは、価格が急落しており、今後の価格回復の可能性を鑑みれば、より高いリスク・プレミアムを十分に補う水準にあるともいえる」と記した。
また、「ホテル・セクターのリスク・プレミアムは相対的に高いが、高いリスクに見合った潜在的な収益力も高く、コロナ禍からの回復力も非常に強い。過去を振り返ると、経済危機に伴う急激な売上高の減少の後は、急激な業績回復が認められている」と補足した。
一方、小売セクターに関しては、「構造的な問題の影響は増大しており、逆風にさらされ続けている。概ね賃料上昇は見込みがたい」とした。