長野県飯田市は2020年4月27日、日本の地理的表示(GI)保護制度に登録されている「市田柿」がシンガポールのGIに登録されたと発表した。登録生産者団体はみなみ信州農業協同組合で2019年3月に申請を行い、2020年1月登録された。日本のGI登録を受けている特産品が、海外のGIに登録されるのは全国で初めてだという。
地理的表示保護制度は、伝統的な生産方法や気象や土地の条件などによって地域固有の品質や特徴を持つ農林水産物・食品の名称を品質の基準とともに登録し、知的財産として保護する制度で、市田柿は2016年に日本のGI登録を受けた。
市田柿は近年、東南アジア向け輸出に力を入れている。飯田市の担当者によると市田柿のシンガポールへの年間輸出量は2019年度は約1.6トン、2018年度は約2.0トンで、「輸出は空輸、海運の両方で行われているが、現在は空輸が多くなっている」という。
シンガポールでGI登録され、現地では模倣品が取り締まりの対象となったことで、ブランド価値の維持とともに、輸出拡大に安心して取り組めるようになったという。
現在、タイ、マレーシア、ベトナムでもGI登録を申請中で、体制固めを進めている。