マルホ(本社:大阪市北区)は、日本国内で製造販売する体外診断用医薬品「水痘・帯状疱疹ウイルス抗原キット」について、Hyphens Pharma Pte.Ltd.(本社:シンガポール)にASEAN10カ国における販売権を導出するライセンス契約を締結した。2025年10月9日発表した。
「水痘・帯状疱疹ウイルス抗原キット」は、毛細管現象と抗原抗体反応を利用した迅速検査の方法の1つであるイムノクロマト法を測定原理とし、皮疹の内容物又はびらん・潰瘍のぬぐい液を検体として、簡便にかつ5~10分で迅速に水痘・帯状疱疹ウイルス(VZV)抗原を検出できる。マルホは2017年6月に日本国内で製造販売承認を取得し、2018年1月「デルマクイック®VZV」の製品名で発売している。
Hyphens社はシンガポールに本社を置くHyphens Pharma Limitedのグループ企業。Hyphens Pharma Limitedは1998年に設立され、主にASEAN諸国で医薬品事業を展開している。
今回の契約に基づき、マルホはHyphens社へ「水痘・帯状疱疹ウイルス抗原キット」のASEAN10カ国(タイ、インドネシア、マレーシア、フィリピン、シンガポール、ベトナム、ブルネイ、カンボジア、ミャンマー、ラオス)における販売を行うための独占的実施権を許諾する。Hyphens社は、「水痘・帯状疱疹ウイルス抗原キット」の上市に必要な活動を進め販売を目指す。
マルホは2024年6月にHyphens社に抗ヘルペスウイルス剤「アメナメビル(一般名)」を導出するライセンス契約を締結した。ASEANでは帯状疱疹の診断・治療に関する選択肢が限られ、2製品の導出は患者のアンメットニーズに応えるものという。
皮膚科学領域に特化するマルホは、新たな海外事業戦略「アジア皮膚科ハブ構想」を掲げている。今回の契約はアジアでの事業展開の実現に向けた取り組みの一つで、「Hyphens社と連携し、帯状疱疹に悩む患者の笑顔に貢献できるように取り組んでいく」としている。
◇Hyphens Pharma Pte.Ltd.
【 本社 】シンガポール
【 CEO 】Lim See Wah