世界最先端のロジック半導体の開発・製造を目指すRapidus(本社:東京都千代田区)は2025年3月25日、シンガポールQuest Global Services Pte.Ltd.とMOC(協力覚書)を締結した。RapidusはQuest Global社の新しいファウンドリー・パートナーの1社となり、Quest Global社の顧客はRapidusの2nm GAA(ゲートオールアラウンド)製造プロセスを選択できるようになる。
発表によると、AI(人工知能)が先端半導体の需要を牽引しており、その傾向は今後ますます強くなるとみられている。AI半導体を採用したさまざまなアプリケーションが登場する一方、その最大の課題の一つは消費電力とされている。
現在はGPUに代表される汎用のAI半導体が使われているが、今後は用途に応じて電力効率を最適化した専用半導体の開発にシフトしていくと想定されている。専用半導体の開発を設計から製造までサポートするのがQuest Global社に代表されるエンジニアリングデザイン・ソリューションを提供する企業で、これらの企業は今後Rapidusのような短TATで専用半導体を製造できるファウンドリーと連携することが重要になるという。
Rapidusはエコシステムパートナーとの連携により、設計支援と前工程・後工程を一貫して行うことで顧客のtime-to-marketを短縮するRapid and Unified Manufacturing Service(RUMS)モデルの構築を目指している。RapidusとQuest Global社が連携することで、幅広い顧客に対してRUMSモデルによる短TATソリューションという新たな付加価値を提供できるようになるという。
Quest Global社は現在20カ国以上で事業を展開し、85を超えるグローバルデリバリーセンターを擁している。