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住友化学、住友ベークライト株式の一部をシンガポール政府投資公社に譲渡

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住友化学は2024年9月18日開いた取締役会で持分法適用関連会社の住友ベークライトの保有株式の一部をシンガポール政府投資公社(GIC Private Limited、GIC)に譲渡することを決議した。同株式譲渡に伴い、住友ベークライトは住友化学の持分法適用関連会社から除外される。原材料を供給している取引関係への影響はないという。

住友化学は、2024年度の確実な業績V字回復と、今後の抜本的構造改革に向けた財務体質強化を狙いとした「短期集中業績改善策」の中で、資産売却の取り組みを加速している。

住友ベークライトとは長年にわたり強固な関係が構築されていることから、株式の一部譲渡による経営資源の効率化と、従来通りの取引や協力関係継続の両立が可能と判断し、同株式譲渡の実行を決定したという。

GICは、シンガポールの長期的な財源を確保するために1981年に設立された投資会社で、シンガポールの外貨準備金を管理しており、長期的かつ規律ある投資アプローチを採用している。

当事者間で協議を重ねた結果、住友化学は、GICが住友ベークライトが目指す一層の事業成長および企業価値向上の実現に向けた最適なパートナーと考えるに至ったという。

住友化学は住友ベークライトの株式2,101万9,600株(議決権比率22.57%)を所有していたが、今回651万9,021株(同7.02%)をGICに譲渡し、譲渡後の所有株式数は1,450万579株(同15.61%)となる。

売出価格は1株につき3,476円で、譲渡価額は226億5,900万円。住友化学は、連結決算では2025年3月期第2四半期連結会計期間において株式譲渡に伴う収益(コア営業利益)として100億円、残存持分の公正価値測定による評価益(非経常項目)として60億円をその他の営業収益に計上する予定。また、個別決算では2025年3月期第2四半期において関係会社株式売却益210億円を特別利益に計上する予定。

住友化学の担当者は、シンガポール新聞の取材に対し、「(売出価格が市場の株価を下回っている点について)譲渡先と真摯に協議し合意した価格であり、当社として妥当な価格と判断している」と答えた。

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