丸紅は、風力推進装置の開発・販売を行うスペインのエンジニアリング会社bound4blue S.L.(b4b社)と業務提携契約を締結した。b4b社が手掛ける風力推進装置“eSAIL”の国内外への販売活動を促進する。2023年6月22日発表した。
風力推進装置は、再生可能エネルギーである風力を活用し推進力を得るもので、海運業界における次世代の温室効果ガス削減手段の一つとして、世界的に注目を集めている。
“eSAIL”の基本的な構造は飛行機の翼が揚力を生み出す原理を応用していて、帆の内部に空気を誘導することで、帆の周りを風がスムーズに流れる効果が生じ、効率的に推進力を得ることができるという。
両社は、丸紅のシンガポールの100%子会社であるMMSL PTE.LTD.が所有するパナマックス型ばら積み船に“eSAIL”を搭載し、温室効果ガス(GHG)排出量の削減効果を検証するプロジェクトを進行中で、最大15~20%の削減効果が見込まれている。
丸紅の担当者はシンガポール新聞の取材に対し、「“eSAIL”は様々な船種に搭載できる。搭載本数は調整可能だ。創出される推進力は基本的には風力推進装置の大きさや本数に比例して大きくなるので、本数を増やすとGHG削減効果の向上が期待できる。一方で、船上の設置スペース、視界の制限、コスト等の制約もあるので、各条件を総合的に考慮の上、搭載本数を判断する必要がある」と答えた。
◇bound4blue S.L.(b4b社)
【 所在地 】Marie Curie 2, 08210 Barberà del Vallès (Barcelona), Spain
【 設立年 】2014年
【 代表者 】Mr. JOSÉ MIGUELBERMÚDEZ
【事業内容】エンジニアリング会社
【運営拠点】スペイン(バルセロナ)、シンガポール