商船三井は2021年4月5日オンライン形式で「新企業理念・グループビジョン、ローリングプラン(経営計画)2021骨子説明会」を開催した。
橋本剛代表取締役社長は利益計画について、「2020年度業績は極めて好調で、経常利益ベースで約1,200億円に到達することがみえている。2021年度以降はOCEAN NETWORK EXPRESS社がコロナの混乱した状況の中であげたイレギュラーな利益が剥落していくため、ノーマルな状況に戻っていくと思うが、2021年度から2023年度にかけては、当社が元々中期的にイメージしていた経常利益800~1,000億円のレベルをおよそ達成できる見込みだ」と説明した。
質疑応答の中で、フリーキャッシュフローが1,000億円よりも上振れた場合投資に振り向けていくかについて、「たしかにONEの業績は極めて好調であり、恐らく2021年度もある程度はこの好調さは持続していくだろうと思う。一方、我々が特に取り組んでいる大きな環境投資案件の一つにLNG発電船プロジェクトがあり、アフリカや東南アジアんなど新興国マーケットにおいて従来の石炭・薪・木炭等を使用している人々に、洋上でLNGを使用して発電した電力を提供するものだ。潜在的なプロジェクトはたくさんあるため、この分野への投資を多少加速化できると期待している」と答えた。
また、ダイビルのシナジー効果を踏まえた位置づけについて「当社が持つ営業ネットワークは、特にアジア各国では経験も深く、人材配置も進んでいる。一方でASEAN各国では、オフィスビル、倉庫等の不動産需要が伸びてくると想定される。ダイビルがこれまで主に日本国内で蓄積してきた不動産ビジネスのノウハウと、当社の海外ビジネスのノウハウをうまく組み合わせて、特に東南アジア地域等で不動産事業を伸ばすことができれば、商船三井グループの中におけるダイビルの強みが発揮できると強く期待している。そうした方向で、ダイビルとも経営方針の摺り合わせを行っていきたい」と答えた。
同社は、2017年度から毎年更新する形式のローリングプラン(経営計画)を策定している。