技研製作所(本社:高知市)は、関西工場(兵庫県丹波市)敷地内に、国内外のエンジニアが圧入技術の知識と実技を体系的に学べる養成施設「圧入道場」を整備し、運用を開始した。2025年7月25日発表した。
圧入道場は、技研製作所が展開する圧入機ユーザーへの総合支援サービス『GTOSS™』の技術サポートの一環で、主に国内外のユーザーや海外グループ企業の社員を標準化された教育カリキュラムによって育成する。現在は、オペレータを対象とした2コース(杭圧入引抜機運転スタンダードコースと硬質地盤圧入機運転コース)、メカニックを対象とした2コース(圧入機保全講習2日間と5日間)がある。これまで海外グループ企業のナショナルスタッフや国内外のユーザーに向けて試験的に実施してきた研修プログラムを基にカリキュラムを策定し、圧入機(サイレントパイラー™ F111、F301)や鋼矢板などの資機材を配備した実習フィールドを整備して、より実践的な教育環境を構築した。

実習フィールド
受講者は短期集中で、圧入原理のメカニズムや基礎知識に加え、実機を用いた圧入機の操作・メンテナンス技術を学ぶことができる。6月にはシンガポールのBOUIN PTE.LTD.、インドのDeltoid Trading Private Limitedから8名の現地社員が来日し、専門知識を持つ社内インストラクターによる10日間の研修を受講した。
BOUIN社とDeltoid Trading社は1つのグループ企業で、シンガポールとインド、さらに事業拠点のあるインドネシアで新しく圧入工事事業を立ち上げるために技研製作所の主力機「サイレントパイラー™」を新規で購入した。空港、鉄道、高速道路などのインフラ整備を目的としており、インドでは近く南部チェンナイの都市開発で事業展開が予定されているという。
受講生は圧入機の基本原理に関する座学の後、シミュレータ訓練を経て、「操作」「組立・分解」「メンテナンス」についての実技指導を受講した。また、マネージャークラスの4名は研修期間中に圧入技術の情報発信基地「RED HILL 1967」(高知県香南市)を訪問。圧入技術を用いた構造物や様々な杭材に適応する圧入機を見学した。8名は帰国後、各地で都市開発やインフラ整備などの圧入工事に携わる。