島津製作所は、インド事業を強化するため、カルナタカ州に製造子会社Shimadzu Manufacturing India Private Limited(SMI社)を設立する。新工場は2027年春の竣工・稼働開始を見込む。2025年1月20日発表した。
インドは、島津製作所の注力領域であるヘルスケア・グリーン・マテリアル・インダストリーにおいて後発薬(ジェネリック医薬品)の世界的な生産地域であるほか、電気自動車(EV)・半導体の自国生産も進むと見込まれている。
島津製作所はこれまで日本およびShimadzu Malaysia Sdn.Bhd.(SML社)からインドへ製品を供給してきた。新工場を建設することでサプライチェーンの強化とともに、国産品優遇策(Make in India)に対応する。SMI社では2027年から液体クロマトグラフ(LC)、ガスクロマトグラフ(GC)、紫外可視分光光度計(UV)、液体クロマトグラフ質量分析計(LC-MS)、ガスクロマトグラフ質量分析計(GC-MS)の製造を開始する。将来は計測機器にとどまらず、医用機器や産業機器の製造も検討する。
また、インドでは計測機器は2005年に、医用機器は2001年にそれぞれ販売会社を設立して営業・サービスを行ってきたが、2社を統合し、2025年夏にShimadzu India Private Limited(SIP社)を設立する予定。両事業を同一組織で運営することで、両機器を使用する病院などの顧客との協力関係強化を目指す。SIP社は島津製作所の孫会社とし、アジア統括会社Shimadzu(Asia Pacific)Pte.Ltd.(シンガポール、SAP社)が100%出資する。
新製造会社SMI社および新販売会社SIP社の設立により、島津製作所はインドで2035年に約470億円(2023年比約2.6倍)の売上高を計画している。
◇Shimadzu Manufacturing India Private Limited(略称:SMI)(島津製作所100%出資)
【設立年月】2025年3月末
【竣工年月】2027年春頃
【 所在地 】インド カルナタカ州 ベンガルール
【 面積 】敷地40,000m2、建屋5,500m2
【 人員 】初年度50人
【業務内容】精密機器の製造
◇Shimadzu India Private Limited(略称:SIP)(Shimadzu(Asia Pacific)Pte.Ltd.100%出資)
【設立年月】2025年夏頃
【 代表者 】社長 阪本学
【業務内容】インド地域における計測機器、医用機器及び産業機器の販売・サービス