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住友化学、MMA事業部新設、シンガポール拠点含む全体戦略策定と展開を一元化

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住友化学は2022年2月25日、4月1日付でMMA(メチルメタクリレート)モノマーおよびアクリル樹脂(PMMA、ポリメチルメタクリレート)事業強化に向けて、戦略策定とグローバル展開を一元的に行うMMA事業部を新設すると発表した。

MMAモノマーは主にアクリル樹脂の原料として用いられるほか、塗料、コーティング剤などの用途で利用されている。

アクリル樹脂は、プラスチックの中でも透明性が高く、耐候性や加工性にも優れるため、高付加価値の樹脂として自動車のテールランプカバーやサイドバイザー、家電、水槽、屋外看板、液晶ディスプレイ、建築材料、飛沫防止板などに使用されている。

MMAモノマーの2020年の世界需要は300万トン、アクリル樹脂は130万トンに上り、今後も新興国を中心に各々年率3%程度の堅調な成長が予測されているという。

住友化学グループは、MMAを石油化学部門の重点強化事業と位置付け、MMAモノマーからアクリル樹脂、シートに至るまで一貫して手掛けており、MMAモノマーについては日本、シンガポール、サウジアラビアの3拠点で生産し、合計生産能力は年産40万トンで世界4位の市場シェアを占め、アクリル樹脂に関してはシンガポールを中心に年産20万トンの能力を持っている。

ただ、世界がカーボンニュートラルの達成に向かう中で、MMAを含む石油化学事業を取り巻く環境は大きく変化している。

住友化学はアジアを中心としたグローバルな販売網を構築してきたが、「これまでにない技術や市場が現れる過渡期にある」との認識のもと、新たにMMA事業部を設置することで、地域特性に応じた最適化を志向する段階から製品群または地域を俯瞰したグローバルな全体戦略へと転換するとしている。

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