みずほ銀行は、シンガポール政府系ファンドTemasek が所有する脱炭素に特化した投資プラットフォームであるGenZero（CEO：Frederick Teo）と、石炭火力発電所の早期廃止を促進するために開発中のトランジション・クレジットに関する戦略的パートナーシップの構築を目的とする覚書を締結した。2025年２月20日発表した。
両者の金融知見と地域に根差したネットワークなどを活用し、カーボンクレジットを用いた資金調達メカニズムの共同開発、トランジション・クレジットの制度設計への働きかけなどを目的とする。
みずほ銀行は、同パートナーシップにより、カーボンクレジットを活用した新規のファイナンス手法の確立に向けて検討を加速させる。また、トランジション・クレジットの認知度向上に向けた日本企業への情報提供なども行っていく。
みずほ銀行の角田真一執行役員サステナブルビジネス部長は「アジアの脱炭素化には、基幹電源である石炭火力のトランジションが重要だ。大きな課題は、そのトランジションコストを誰がどのように負担するかである。トランジション・クレジットは、脱炭素への取り組みを正当に評価し、そのコストを地域を超えて公平に負担することで、経済性を毀損せずに石炭火力の早期退出を実現する仕組みである。GenZeroは、トランジション・クレジットの普及に当初から取り組んでいる、この領域におけるトップランナーだ。今後、GenZeroと共に、アジアのジャストトランジションに確りと取り組んでいく」とコメントした。
みずほ銀行は2024年に環境・社会に配慮した投融資の取組方針を改定しており、既存の石炭火力発電所の早期廃止を可能にするための投融資等については、脱炭素化の進展に向け信頼性・実効性などを検証した上で対応する可能性があるという。