商船三井と米・総合エネルギー企業Chevron Corporationは、Chevronのシンガポール子会社Chevron New Energies International Pte.Ltd.を介して、シンガポールで排出される二酸化炭素を回収した後に液化し、豪州沖貯留地まで海上輸送するための事業開発協力に関する覚書を締結した。2022年11月10日発表した。
同覚書に基づき、商船三井とChevronは、液化CO2の海上輸送に適した船舶の技術的・商業的実現可能性を検討する。2030年までのCCUS(Carbon Dioxide Capture, Utilization and Storage)操業開始を目標とし、操業後は年間250万トンの液化CO2の海上輸送を見込む。
同検討作業を通じて、商船三井とChevronは、シンガポールで排出される二酸化炭素の大規模な回収・輸送・地下貯留、またアジア太平洋地域でのCCUSバリューチェーン構築に貢献する。
協業するChevronグループの輸送・船舶事業会社Chevron Shipping社のMark Ross社長は「安全で信頼性の高い液化CO2輸送サービスの開発は、大規模なCCUSソリューションの実現に不可欠である。商業的実行性のあるソリューションを構築するために、商船三井と協業できることを嬉しく思う」と述べた。
Chevron New Energies International社のChris Powers副社長(CCUS部門)は「商船三井との当覚書の合意は、CCUSの技術的・商業的基盤の地域的アプローチの確立に加え、同地域のCO2排出ゼロの野心に向けて価値ある進展につながる。一社単独で全ての解決策を提示することは叶わないが、両社が協力することで低・脱炭素社会の未来実現という共通目標を切り開く一助となるだろう」と述べた。
商船三井の野間康史執行役員は「商船三井は、従来の海運業に加えて、社会インフラサービスの開発および提供者として、今回、Chevronと共同でアジア太平洋地域にCCUSソリューションを提供する機会を得られたことを大変光栄に思う。今後、CCUSや再生可能エネルギーを含む低・脱炭素化のグローバルソリューション提供に向けてChevronと更なる協業を図りたい」と述べた。